25.1.14 Real Sound( 南 明歩)
KinKi Kidsから強く感じた、これからも2人で歩き続けるという意志 改名発表後初の東京ドーム公演
KinKi Kidsが、1月12日、13日の2日間にわたり、東京ドームで『KinKi Kids Concert 2024-2025 DOMOTO』の東京公演を開催した。本稿では12日の模様をレポートする。
KinKi Kidsは、デビュー翌年の1998年より東京ドーム公演をほぼ毎年行なっており、今回で通算68回目となる。自身の持つ単独アーティストによる東京ドーム最多公演数の記録を更新した。そして、この日はユニット名を“DOMOTO”に改名することを発表して以来、初めてのライブ。広大なドームの客席を埋めつくしたファンも、それぞれが特別な思いを持って臨んだことだろう。
開演直前、二人の登場を待ちわびる観客が自然と手拍子を始める。期待がピークに達したところで暗転。約28年間の彼らの姿を振り返るヒストリームービーが流れ、2025年まで時を刻むとメインステージが開幕する。すると、高さ15mのリフトに乗った二人がついに登場し、デビュー曲の「硝子の少年」でライブはスタート。白地に煌びやかなストーンで装飾を施したお揃いのジャケットは、17歳でデビューした当時の衣装をモチーフにしたデザインだという。青く憂いを帯びた二人の歌声がドームに響きわたり、5万5000人の心を震わせた。
KinKi Kidsの歴史を辿るように「愛されるより愛したい」へ。駆けつけたふぉ~ゆ~もバックダンサーに加わり、鮮やかなダンスパフォーマンスを披露。ステージ前方からは炎が噴き出し、会場のボルテージを上げていく。そのまま「ボクの背中には羽根がある」へ突入。サビで重なる二人の歌声は、儚さと切なさを併せ持つ唯一無二のハーモニーだ。壮大なバラードソング「Anniversary」では、星空の光をバックに背中合わせになって歌い上げ、まるで絵画のように美しい光景を見せた。
MCでは、遠くの席に向かって「そんなに遠くから見えてる?!」と言い放つ堂本光一に対し、「でも心の距離はないもんな」と堂本剛が優しい言葉でファンを慰めたり、自分の顔が印刷された団扇を持つファンを光一が「自分の顔見せられても、わかってるから! って思う」と言い放つと、剛が「みんなも“自分のこと光一くんってわかんなくなっちゃうかな”と思って買ってるわけじゃないから」と冷静に突っ込んだりと、終始笑いが絶えない。オープニングパートにもかかわらず、すでにロングトークを展開する二人だが、光一は「いやぁ楽しいね」と満足気な表情を浮かべていた。
極上のバラードソング「もう君以外愛せない」では、中央に現れたグランドピアノと共に、ムービングステージに乗ってアリーナ席の頭上を移動。光一は客席に真剣なまなざしを向けながら、持てる力の全てを込めて歌い上げ、剛は何度も手を振りながら、〈今ここに君と約束するよ〉という最後のフレーズでドーム全体を指さす。パフォーマンスも対照的な二人だが、後の「陽炎~kagiroi~」では息ぴったりの掛け合いを披露し、会場を沸かせる。「カナシミブルー」では、トロッコに乗った二人が客席のすぐ傍に登場し、手を振ったり指をさしたりする度に大きな歓声が上がる。メンバーカラーのペンライトによる赤と青の光で二分割されたドームは、興奮と熱気に包まれた。
名曲「愛のかたまり」の歌詞を変えて披露する場面も
後半のMCでは、DOMOTOへの改名に触れ、光一が「皆さんが安心して応援できる環境を整えていこうと思うし、今までの曲も大事に歌っていこうと思っています」と宣言し、「28年も二人でやれて、東京ドームで毎年やらせてもらえてるって奇跡みたいなものですよね」としみじみ語る。その後も、剛がTHE ALFEEやT.M.Revolutionのモノマネをしながら指ハートを作って見せたり、光一がケータリングでうどんを食べた際に七味が辛すぎた話をしたりと、カオスな展開に。このアットホームな雰囲気も、KinKi Kidsが長年かけて作り上げてきたものの一つなのだろう。
ここで、二人が覚えていないであろう曲にリハーサルなしでチャレンジするというコーナーへ。課題曲は、2005年リリースのアルバム『H album -H・A・N・D-』に収録されている「In My Heart」。歌詞の書かれた紙を見ながら、難しい顔をして歌い始める二人。うろ覚えの曲をカラオケで歌っているような光一と、怪しげながらもしっかり歌ってリードする剛。なんとか歌い終えた後は、なんと菊池風磨(timelesz)がVTRでサプライズ登場。「曲覚えてないようじゃ無理か。曲はね、覚えておかないと」と例の構文で二人に突っ込み、爆笑を巻き起こした。
ライブ後半は、デビュー前から歌い続けてきた「Kissからはじまるミステリー」からスタート。ふぉ~ゆ~と共に届け、再びエンジンをかけると、ここでデビュー当時からの今までのKinKi Kidsのライブのメモリアル映像が流れる。まだあどけない姿から、ふざけ合う笑顔、真剣に歌う表情。どの瞬間も二人は隣同士にいて、支え合いながら歩んできたことを改めて実感させられる。感動的なムードに包まれた会場へ届けたのは、「スワンソング」。曲のラストで向かい合い、互いに向かって手を伸ばすシーンは、二人の強い絆を現しているようにも見えた。
ここで、20周年の節目に制作した、剛作詞・光一作曲の「Topaz Love」へ。苦難の時期に生み出された大切な一曲だ。煌めくメロディに思いを乗せて歌う二人に、まるで赤と青の宝石が散りばめられたような客席からは、盛大な拍手が送られた。その後も、初めて共に作詞作曲を手がけた「The Story of Us」など、二人の共作曲を次々と披露する。そして最後に届けたのは、KinKi Kids共作の代表曲「愛のかたまり」。燃えるような情熱的な愛の歌をドラマティックなメロディに乗せて歌い上げる。途中で歌詞を変え、〈変わっていく 僕らの愛は 強く光り輝く この冬を越えて もっと素敵になるから〉と歌ったのは、二人からファンへ向けた誓いの言葉、もしくは愛のメッセージとも言えるだろう。
最後に、光一は「いつものようにこうしてコンサートを開催できたこと、改めて感謝したいと思っています。“DOMOTO”になりますが、今後ともよろしくお願いします」と真摯な言葉で挨拶をし、剛は「皆さんにいただいた愛をいつまでも伝えていきたいと思います。本当にたくさんの愛をどうもありがとうございます」と柔らかい笑顔を見せて、ステージを去った。二人が姿を消した後も、拍手は鳴り止まなかった。
28年の時を重ねても決して色褪せない名曲たちと共に、節目のライブを届けたKinKi Kids。決して派手な演出や激しいパフォーマンスをせずとも、二人の存在そのものが強い輝きを放っていたのが印象的だ。そして、最も強く感じたのは“これからも二人で進んでいく”という意志。たとえこのツアーがKinKi Kidsとして最後のライブになったとしても、変わらず二人で輝く姿を見せてくれるはずだ。そう安心させてくれる、素晴らしいステージであった。
