【日経賞】マイネルエンペラーが大激戦を制して重賞初V 馬場と好騎乗だけではない勝因を陣営が明かす
[GⅡ日経賞=2025年3月29日(土曜)中山競馬場、芝内2500メートル(4歳上)]
29日、中山競馬場で行われたGⅡ日経賞は、2番人気のマイネルエンペラー(牡5・清水久)が大激戦を制して重賞初V。天皇賞・春(5月4日=京都芝外3200メートル)の優先出走権を獲得した。長かったオープンへの道のりを経て、やっとの思いで勝ち取ったタイトル。レース後の取材から、さらに上の舞台での可能性を検証したい。稍重馬場の勝ち時計は2分36秒1。クビ差2着は5番人気チャックネイトで、断然人気に推されたアーバンシックはさらにクビ差の3着に終わった。
馬場が味方したのは確かだが…
人馬がドロドロになって帰ってきた大激闘。芝コースの発表は稍重だったが、雨が降り続いてタフな舞台になっていた。「こういう馬場は得意だと思います」と丹内が振り返れば、清水久調教師も「力のいる馬場が味方をしたと思います」と認めるマイネルエンペラーが、接戦のゴール前を制して重賞初制覇。父ゴールドシップ譲りのパワーで接戦をものにした。
初騎乗で勝利に導いたジョッキーの好騎乗にも注目したい。五分にスタートを切って道中は外めの好位に控えたが、3コーナー過ぎに仕掛けて、スッと先頭に並んだ。ピュッと切れる脚はないものの、しぶとく伸びる。そこからは最後まで他馬に先頭を譲らず、ゴールを駆け抜けた。「乗りやすいと聞いていたので不安はありませんでした。4コーナーでは先頭、あるいはいつでも動ける位置に行こうと思っていましたけど、思ったより早めに前めのポジションが取れたので」と丹内。理想通り、いや理想以上の競馬だったことが、トレードマークの屈託ない笑顔からうかがえた。昨年は関東4位、今年は同3位と円熟味を増す鞍上は初コンビとなったパートナーを「乗りやすい馬なので、課題はないです」とたたえる。
トレーナーの〝謝罪〟は評価の表れ
しかし、勝因はそれだけではない。馬自身の成長も顕著だ。「緩さが残っていて、パンとしないところはあったけど、前後のつながりが徐々に解消されて、そこが充実ぶりにつながっています」と清水久師。姉がオークス馬ユーバーレーベン、兄は6歳時に新潟記念を制したマイネルファンロンという優秀な血統が、フィジカルの成長に伴って開花してきた。デビュー19戦目での重賞勝利についてトレーナーは「ここに来るまで時間がかかってしまって、申し訳なかった」と〝謝罪〟。それも、高い資質を感じていたことの証明といえるだろう。
今後は「春の天皇賞が目標になると思います」と同師。距離が延びることに対しても「折り合ってかかることがない、操縦性がある馬なので」と心配を打ち消し、「エンペラーは良馬場でも走れると思う。次は良馬場でやりたい」と言い切った。5歳になって完成の域に達した今のマイネルエンペラーなら、〝馬場のおかげ〟という雑音を封じ込めての戴冠も十分にありそうだ。
【日経賞】中山芝2500メートルで史上最大の激戦! 15着全馬がわずか0秒7差でゴール
[GⅡ日経賞=2025年3月29日(土曜)中山競馬場、芝内2500メートル(4歳上)]
73回目を迎えた伝統の古馬GⅡ日経賞は、ゴール前で全馬が団子状態でなだれ込む大激戦のフィニッシュとなった。掲示板に載った5頭の着差はクビ、クビ、クビ、アタマだったが、結果的にしんがり負けとなった15着のマキシでも、2500メートルを走り切って勝ち馬マイネルエンペラーとはわずか0秒7差。ちょっとした展開ひとつで、着順がガラリと入れ替わるようなレースなった。
記録が残っている1986年以降、中山芝2500メートルで15着までのタイム差が最も小さかったのは2007年グッドラックHと10年日経賞の0秒9差。今年の日経賞は、まさに歴史的な大激戦となった。
【日経賞レース後コメント】マイネルエンペラー丹内祐次騎手ら
ラジオNIKKEI
中山11Rの第73回日経賞(4歳以上GII・芝2500m)は2番人気マイネルエンペラー(丹内祐次騎手)が勝利した。勝ちタイムは2分36秒1(稍重)。クビ差の2着に5番人気チャックネイト、さらにクビ差の3着に1番人気アーバンシックが入った。
マイネルエンペラーは栗東・清水久詞厩舎の5歳牡馬で、父ゴールドシップ、母マイネテレジア(母の父ロージズインメイ)。通算成績は20戦5勝。
レース後のコメント
1着 マイネルエンペラー(丹内祐次騎手)
「(初コンビでしたが)乗りやすいと聞いていたので、不安はありませんでした。今日は4コーナーで先頭、あるいはいつでも動ける位置に行こうと思っていました。思ったよりも前めが取れたので、問題なく運べました。こういう馬場も得意だと思います。力をつけていると思いますし、乗りやすいですから課題も特にありません。今日のようなレースができれば、上でも勝負になると思います。(3200mでも大丈夫ですか? の問いに)次の騎乗依頼をキリンになって(首を長くして)待ちます!」
(清水久詞調教師)
「(手応え良く直線に入っていったので、こういう得意の馬場でしたし、押し切ってくれないかと観ていました。オープンに上がるのには時間がかかりましたが、今、充実期に入っています。残っていた緩さも徐々に解消してきていて、もうひと伸びできそうな感じです。距離が延びてもかかることはありませんし、操縦性が良いので問題ないと思います。天皇賞(春)も目標のひとつです。今日は力のいる馬場も味方したと思いますが、良馬場でも走れる馬です」
6着 ヴェルミセル(津村明秀騎手)
「ただ1頭の牝馬でしたが頑張りました。この馬場も大丈夫でした。これからも楽しみです」
